2011年7月24日日曜日

「続・傍観者の小さな冒険 彼の地にて」

第五章 ある舞台裏

 森の隅に三つの影が人知れず集まった。




「何か、マウスの調子が悪いらしいですよ」
 《装飾師》が徐に切り出した。
「貧乏人はこれだから困るな、大金持ちの俺様を見習えば良いのに」
 不満そうに吐き捨てた《いたずら師》は、そう言うと上空を旋回し始めた。
 少々疲れ気味の《知識師》が話を続けた。
「右クリックが使えなくなったみたいですよ」
「それが使えないと何が不便なんです?」
 《装飾師》の問いに《知識師》が懇切丁寧に答えた。
「イラストをダウンロードする時の『名前を付けて画像を保存』が出来ないみたいです」
 真剣な面持ちで《装飾師》は《知識師》の説明に聞き入っていた。
「キーボードの右側のCtrlキーの左にあるキーで右クリックの代用が可能なのですが、イラストが選択出来ないので今回はその方法は使えないとの事です」
 
 頭の上から《いたずら師》の声が響いて来た。
「折角俺様の釣りチャレンジでの冒険譚を聞かせてやろと思ってたのに・・・」

「つまり新しいイラストを挿入出来ないと言う事ですか」
 残念そうに《装飾師》が口元を歪ませた。
「そう言う事です、ところで・・・」
 一転して調子を変えた《知識師》が続けた。
「良いお店が有るのですが・・・」
 三つの影は浮き浮きした様子で西の空へと飛んで行ってしまった。

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